令和6年度 理療科(専攻科)卒業生 荒木 寅那さん

2026年9月15日 01時32分 [WEB管理者]

理療科(専攻科)卒業生 荒木さんの「卒業生からのメッセージ」


筑波大学理療科教員養成施設 学生(施設生) 
荒木 寅那さん(令和6年度 理療科(専攻科)修了)

私は 2 歳の時に、網膜芽細胞腫によって両方の視力を失って全盲となりました。そして最終的に、山形盲学校の理療科を卒業しました。

理療科は、患者さんの訴えや、触れた際に手から伝わってくる感覚などを通して、その方の抱える症状に向き合う「あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう」の技術を学ぶ学部です。古くから視覚障がい者が深く関わってきた歴史があり、私たち自身の感覚や手技を最大限に生かして行われる仕事です。私はこの理療科で学んだ後に国家資格を取得し、現在は理療科の教員を目指し、さらなる進学を重ねています。

理療科では、いわゆるもみ方を練習するだけではありません。解剖学や生理学、臨床論などを通して、「なぜその症状が出ているのか」「どのように対応すればよいのか」「どのような点に注意するべきか」という、体の仕組みや治療の方法を、しっかりとした理論を通して学ぶことができます。さらに、衛生学や経営学など、将来就職したり自らの治療院を開いたりする際に必要となる実務的な知識や法律についても深く学ぶことができます。

「自分にできるだろうか」と、難しさを感じる方もいるかもしれません。しかし、盲学校には多様な背景を持つ同級生や先輩、後輩たちが集まっており、同じように視覚障がいを持ちながら寄り添ってくださる先生方がいます。

私も理療科に入学した当初は、「自分にやり遂げられるだろうか、鍼や灸をうまく扱えるだろうか」など、様々な不安もありましたが、授業の内容がしっかり理解できるよう丁寧に指導していただいたほか、日々の学習方法から生活に役立つ知恵まで、数多くの支えをいただいたおかげで無事に国家試験に臨むことができました。今、進路に迷っている皆さんも、どうか一人で抱え込まずに、ぜひ先生や先輩たちに相談してほしいと思います。

最終的にどの道を選ぶかは自分自身ですが、理療の道は、私たちが社会の中でしっかりと自立していくためだけでなく、たくさんの人の心身の苦痛を和らげ、直接「ありがとう」という感謝をいただける非常にやりがいのある道であると感じています。

人生は一度きりです。この理療の道も一つの選択肢として考え、迷っているのならぜひ挑戦してみてほしいと思います。

(更新:2026年9月15日 02時31分)
令和6年度 理療科(専攻科)卒業生 荒木 寅那さん 2026-09-15 [WEB管理者]
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