山形県立山形盲学校
校長 鑓水 直子
2度目の赴任に思うこと
今年度より、本校に校長として参りました。本来でしたら皆様にお会いしてご挨拶をすべきところではありますが、新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点より、このような形でご挨拶させていただきます。
今年度は、小学部に1名、高等部(理療科専攻科)へ1名の新入生を迎え、幼小学部7名、高等部普通科3名理療科3名、合計13名の幼児児童生徒数となります。昨年度は、臨時休校が続き、始業式や入学式も遅れて実施することになりましたが、今年度は感染拡大防止の対策を十分にとりながら予定通りの始業式並びに入学式を行うことができたことは何よりの喜びです。ご来賓の皆様にご臨席を賜ることは叶いませんでしたが、多くの皆様より温かいメッセージをいただきました。ありがとうございました。
本校の教育目標には、障がいと向き合うことの大切さを理解するための指導、夢の実現のために精一杯努力できる幼児児童生徒の育成を挙げております。自分の障がいを理解するだけではなく、自分の得意なことや苦手なことを理解すること、自己理解が必要とされます。山形盲学校は、視覚障がいへの対応を身に付けるだけではなく人間性豊かな人づくりを行います。また、どんな困難にも負けないための知識、体力を身に付けるための支援を行います。
保護者の皆様はじめ、地域の皆様及び関係機関の皆様にはこれからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
私事ですが、30数年前に大学を卒業し教員として赴任したのが山形盲学校でした。右も左も分からない新米の教師を担任として迎えていただいた保護者の方々の優しさが今も思い出されます。当時は60数名の在籍があり、学校行事や中川小学校との交流会など、教員として多くの経験と学びをすることができました。この度、校長として赴任したことには、意味があると思っております。その意味について考え令和の時代を生きる児童生徒の将来を見つめた教育に携わっていきたいと思います。
入学式の式辞でも申し上げましたが、児童生徒の皆さんにとって安全にそして安心して学習に向かえる環境づくりに努めてまいります。1年間、どうぞよろしくお願いいたします。
後期学習のスタート~山盲祭の取組~
10月4日より後期の学習がスタートしました。後期始業式では、以下のような内容のお話を行いました。
「今日から後期の学習が始まります。前期は101日、そして後期は104日であり、中に冬休みは入りますが、秋から冬、そして春までの修了式や卒業式までの期間になります。私から、前期でもお話ししましたが、引き続き次の2つのことに気を付けて学校生活生活を送ってほしいと思います。
一つ目は、命を守る行動をとること。
二つ目は、自分の夢に近づくための行動をとること。」
新型コロナウイルスの感染拡大も収まりつつありますが、感染対策を怠らず取り組むことや、学習に前向きに取り組むことの大切さについて話をしました。
それから後の数週間は、山盲祭に向けての学部ごとの取組が本格化しました。今年度も外部の方の参加は残念ながら見送りました。しかし、児童生徒のステージ発表は予定通り保護者参観の中で行われることとなりました。内容について簡単に説明と感想をまとめてみます。
<幼小学部>
それぞれの学年ごとに、前期の学習で学んだことを発表しました。国語科での音読発表、社会科での住んでいる町の自慢クイズ、リコーダー、ピアノの音楽発表や音楽にのせた修学旅行の思い出など。体育館のステージに立ち、学習の成果を堂々と発表しました。。
<高等部>
バンド演奏「帰ってきた!TMむつぼし」とは、どんなものなのか。ギター、ピアノのソロ弾き語り、バンド演奏と、さすが高等部普通科生と思わせる演奏でした。ステージの上で、感情豊かに表現する喜びを観客の私たちも感じることができました。
<理療科>
「理療科紹介 ザ ムービー Part2」は、まさしくこれからの未来の自分たちに必要な力を明確にしていました。参加いただいた先輩方にも感謝です。
山盲祭は、後期始業式で語った「夢に向かっての第一歩」にふさわしい内容でした。
ひとりひとりの可能性を信じ、個別最適な学びをこれからも継続していきたいと思います。
山形県立山形盲学校
校長 鑓水 直子